○気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防救急業務取扱規程
平成26年3月25日
訓令第2号
気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防救急業務取扱規程(平成8年気仙沼・本吉地域広域行政事務組合訓令第1号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この規程は,気仙沼・本吉地域広域行政事務組合(第34条において「組合」という。)が行う救急業務について,必要な事項を定め,救急業務の能率的な運営を図ることを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この規程における用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
(1) 救急業務 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に規定する救急業務をいう。
(2) 救急事故 法及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)に規定する救急業務の対象となる事故をいう。
(3) 救急自動車 救急業務を行う自動車をいう。
(救急隊の設置及び名称)
第3条 救急隊は,消防署,分署及び出張所に置くものとし,名称は別表第1のとおりとする。
(救急隊の編成)
第4条 救急隊は,救急自動車1台及び救急隊員(以下「隊員」という。)3人以上をもって編成するものとする。
2 傷病者を医療機関から他の医療機関へ搬送する場合で,これらの医療機関に勤務する医師,看護師,准看護師又は救急救命士が救急自動車に同乗する場合は,隊員2人以上をもって編成することができるものとする。
(隊員の任命)
第5条 消防長は,次の各号のいずれかに該当する職員のうちから隊員を任命するものとする。
(1) 救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士の資格を有する消防職員
(2) 令第44条第3項に該当する消防職員
2 消防長は,第3条に定める救急隊ごとに救急隊長(以下「隊長」という。)を任命するものとする。
3 消防署長(以下「署長」という。)は,第1項の隊員の欠員を補充するため予備の隊員を任命しておくものとする。
(隊長の任務)
第6条 隊長は,上司の命を受け隊員を指揮監督し,救急業務を円滑に行うよう努めなければならない。
(隊員の心得)
第7条 隊員は,次に掲げる事項を遵守するものとする。
(1) 救急業務に関する法令を遵守すること。
(2) 救急業務の特殊性を自覚し,知識の修得及び技術の向上に努めること。
(3) 常に身体及び着衣の清潔保持に努めること。
(4) 傷病者に対しては,懇切丁寧を旨とし,しゅう恥又は不快の念を抱かせないように努めること。
(5) 資器材の保全に留意するとともに,その使用については適正を期すること。
(高規格救急自動車の配置)
第8条 消防長は,各救急隊に救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。第16条において「基準」という。)第6条第3項に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急自動車を配置するものとする。
(隊員の服装)
第9条 隊員は,救急業務を行う場合は,消防吏員服制基準(昭和42年消防庁告示第1号)に定める救急帽又は略帽,救急服及び短靴を着用するものとする。ただし,安全を確保するため必要があるときは,保安帽,編上靴及び感染防止衣等を着用するものとする。
(救急自動車の標示)
第10条 救急自動車は,その両側面に所属の署所名,後部に消防本部名を標示するものとする。
(隊員の教育)
第11条 消防長及び署長は,隊員に対し,救急業務を行うために必要な知識及び技能を習得させるため,常に教育訓練を行うものとする。
(救急自動車に備える資器材)
第12条 救急自動車には,応急処置及び通信等に必要な資器材で別表第2に掲げるものを備えるものとする。
3 前2項により備えた資器材は,救急業務を円滑に行うため,毎日点検を実施し,機能の保持及び管理に努めるものとする。
(応急処置等で使用する薬剤の管理)
第12条の2 応急処置等で使用する薬剤に関する管理事項については,別に定めるものとする。
(救急隊の出動)
第13条 署長は,救急出動指令を受けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは,直ちに救急隊を出動させるものとする。
2 消防長又は署長は,前項に規定する場合において必要があると認めるときは,消防隊を出動させることができるものとする。
3 前2項の出動計画は,別に定めるものとする。
4 消防長は,前3項の規定にかかわらず,必要により特命出動をさせることができるものとする。
5 現に医療機関にある傷病者を他の医療機関へ搬送する場合は,当該医療機関の医師からの要請で,搬送先の医療機関が確保されている場合に行うものとする。
(口頭指導)
第14条 消防長及び署長は,救急要請時に,消防指令センター又は出動途上の救急自動車等から,救急現場付近にある者に,電話等により応急手当の協力を要請し,その方法を指導するよう努めるものとする。
(現場指揮)
第15条 救急現場の指揮は,気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防活動規程(平成28年気仙沼・本吉地域広域行政事務組訓令第1号)に定めるところによる。
(応急処置等)
第16条 傷病者の観察及び応急処置は,基準に規定するところにより行うものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第17条 隊員は,救急業務の実施に際し,傷病者又はその関係者が搬送又は応急処置を拒んだときは,これを行わないものとする。ただし,傷病の程度,傷病者の状態及び周囲の状況から判断して特に必要があると認めたときは,この限りでない。
(医師の要請)
第18条 隊員は,次の各号のいずれかに該当する場合は,速やかに消防指令センターに報告し,医師の協力を要請するとともに,必要な措置を講ずるものとする。
(1) 傷病者の状態からみて,搬送することが生命に危険であると認められる場合
(2) 傷病者の状態からみて,搬送可否の判断が困難な場合
(3) その他救急事故の現場において,医師の診療が必要な場合
(死亡者の取扱い)
第19条 隊員は,傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合は,これを搬送しないものとする。
(関係者の同乗)
第20条 隊員は,搬送にあたって関係者又は警察官等の同乗が必要であると判断した場合は,適切な措置を講ずるものとする。
(犯罪等による傷病者の取扱い)
第21条 隊員は,次の各号に定める者を救護した場合は,速やかに事故発生地を管轄する警察署長等へ連絡するとともに,証拠の保全に留意しなければならない。
(1) 傷病の原因に犯罪の疑いがあると認められる者
(2) 交通事故による傷病者
(3) 労働災害による傷病者
(4) 自殺未遂者
(感染症と疑われる者の取扱い)
第22条 隊長は,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症,二類感染症,新型インフルエンザ等感染症,指定感染症又は新感染症と疑われる傷病者を搬送した場合は,隊員及び救急自動車の汚染に留意し,直ちに所定の消毒を行い,この旨を消防長及び署長に報告するとともに,当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し,必要な措置を講ずるものとする。
(要保護者等の取扱い)
第23条 消防長又は署長は,生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合は,同法第19条各項に定める機関に通知するものとする。
(家族等への連絡)
第24条 隊員は,傷病者の状況により必要があると認めた場合は,その家族に対し,傷病の程度又は状況等を連絡するよう努めるものとする。
(活動の記録)
第25条 隊員は,救急活動を行った場合は,別に定める救急活動記録票に救急活動を行った年月日,傷病者の状態,住所,氏名,年齢及び性別,活動概要等所要の事項を記録しておくものとする。
2 隊員は,傷病者を搬送し医療機関に引き渡した場合は,当該事実を確認する医師の署名又は押印を受けるとともに,傷病名,傷病程度等について当該医師の所見を聴し,救急活動記録票に記録しておくものとする。
3 隊員は,応急処置等を行うに際し,医師の指示,指導・助言があった場合は,当該医師の氏名及び指示,指導・助言内容を救急活動記録票に記録しておくものとする。
4 救急救命士の資格を有する隊員は,救急救命士法に定める救急救命処置を行った場合は,別に定める救急救命処置録に記録しておくものとする。
5 署長は,前各項の記録について,その記録の日から5年間,これを保存しなければならない。
(医療機関との連絡)
第26条 消防長及び署長は,救急業務の実施について,医療機関と常に密接な連絡をとるものとする。
2 消防長及び署長は,医療機関における空床の状況等の情報を常に把握するよう努めるものとする。
(団体等との連絡)
第27条 消防長及び署長は,救急に関する事務を行っている団体等と救急業務の実施について情報を交換し,緊密な連絡をとるものとする。
(消毒)
第28条 署長,分署長及び出張所長(以下「署所長」という。)は,次の各号に定めるところにより,救急自動車及び積載品等の消毒を行うものとする。
(1) 定期消毒 月1回
(2) 使用後消毒 毎使用後
(救急業務計画)
第30条 消防長は,特殊な救急事故が発生した場合における救急業務の実施についての計画を作成しておくものとする。
2 署長は,毎年1回以上前項に定める計画に基づく訓練を行うものとする。
(救急調査)
第31条 署所長は,救急業務の円滑な実施を図るため,次の各号に定める事項について調査を行うものとする。
(1) 地勢及び交通の状況
(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造
(3) 医療機関等の位置及びその他必要な事項
(4) その他署所長が必要と認める事項
(応急手当の普及啓発)
第32条 消防長及び署長は,住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するものとする。
(規程の準用)
第33条 消防隊が救急業務を実施した場合は,この規程を準用する。
(災害救助法における救助との関係)
第34条 組合が行う救急業務は,災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用される場合においては,同法の規定に基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
(委任)
第35条 この規程の取扱いについて必要な事項は,別に定める。
附則
この訓令は,平成26年4月1日から施行する。
附則(平成26年7月31日訓令第7号)
この訓令は,平成26年8月1日から施行する。
附則(平成28年5月30日訓令第7号)
この訓令は,平成28年6月1日から施行する。
附則(令和2年3月29日訓令第2号)
この訓令は,令和2年4月1日から施行する。
別表第1(第3条関係)
名称 |
気仙沼消防署救急隊 |
南三陸消防署救急隊 |
気仙沼消防署本吉分署救急隊 |
気仙沼消防署唐桑出張所救急隊 |
気仙沼消防署古町出張所救急隊 |
気仙沼消防署大島出張所救急隊 |
南三陸消防署歌津出張所救急隊 |
別表第2(第12条関係)
分類 | 品名 |
観察用資器材 | 血圧計 血中酸素飽和度測定器 検眼ライト 心電計 体温計 聴診器 |
呼吸・循環管理用資器材 | 気道確保用資器材 吸引器一式 喉頭鏡 酸素吸入器一式 自動式人工呼吸器一式 手動式人工呼吸器一式 自動体外式除細動器 マギール鉗子 |
創傷等保護用資器材 | 固定用資器材 創傷保護用資器材 |
保温・搬送用資器材 | 雨おおい スクープストレッチャー 担架 バックボード 保温用毛布 |
感染防止・消毒用資器材 | 感染防止用資器材 消毒用資器材 |
通信用資器材 | 無線装置 |
その他の資器材 | 懐中電灯 救急バッグ トリアージタッグ 膿盆 はさみ ピンセット 分娩用資器材 冷却用資器材 |
備考
1 気道確保用資器材は,経鼻エアウェイ及び経口エアウェイを含む気道確保に必要な資器材をいう。
2 吸引器一式は,吸引用カテーテルを含む口腔内等の吸引に必要な資器材をいう。
3 酸素吸入器一式は,酸素ボンベ,酸素吸入用鼻カニューレ及び酸素吸入用マスクを含む酸素吸入に必要な資器材をいう。
4 自動式人工呼吸器一式は,換気回数及び換気量が設定できるものとし,手動式人工呼吸器及び酸素吸入器に含まれる資器材と重複するものは共用できるものとする。
5 手動式人工呼吸器一式は,人工呼吸用のフェイスマスクを含む手動による人工呼吸に必要な資器材をいう。
6 自動体外式除細動器は,救急救命士が使用するものについては,心電図波形の確認及び解析時期の選択が可能なものを備えるものとする。
7 固定用資器材は,副子及び頸椎固定補助器具を含む全身又は負傷部位の固定に必要な資器材をいう。
8 創傷保護用資器材は,三角巾,包帯及びガーゼを含む創傷被覆に必要な資器材をいう。
9 感染防止用資器材は,ディスポーザブル手袋,ディスポーザブルマスク,ゴーグル,N―95マスク及び感染防止衣を含む感染防止に必要な資器材をいう。
10 消毒用資器材は,各種消毒薬及び各種消毒器を含む消毒に必要な資器材をいう。
11 分娩用資器材は,臍帯クリップを含む分娩に必要な資器材をいう。
12 冷却用資器材は,ディスポーザブル瞬間冷却材等とする。
別表第3(第12条関係)
分類 | 品名 |
呼吸・循環管理用資器材 | 呼気二酸化炭素測定器具 自動式心マッサージ器 特定行為用資器材 |
通信用資器材 | 携帯電話 心電図伝送等送受信機器 |
救出用資器材 | 救命浮環 救命綱 万能斧 |
その他の資器材 | 汚物入 在宅療法継続用資器材 洗眼器 リングカッター |
その他必要と認められる資器材 |
備考
特定行為用資器材は,救急救命士法施行規則(平成3年8月14日厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置に必要な資器材とし,気仙沼地域メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。